第1話 日の当たらない廊下にヒールの音が響く。どことなく苛立たしさを感じさせるテンポだった。廊下の先には重厚な木の扉が待ち構えている。銀のプレートがはめ込まれ、警察署長室と刻印されている。その部屋へと向かっているのが靴音の主――黒猫のサラ・ハーディだった
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ケモノポリス-KIMONOPOLLIS-それはケモノたちの都市。自由奔放なネコ族、保守的なイヌ族、中庸を好むヒツジ族。性質の異なる三つの種族が、互いに違いを認め合いながら仲良く暮らしていた。あの事件が起るまでは――。ケモノたちは何故、ケモノポリスの覇権を
【NOVEL】ザ・ストーリー・オブ・ギャングスターパラダイス アフタートーク
そんなわけで2015年12月から2016年2月にかけて、およそ2ヶ月に渡り連載して来ました『ザ・ストーリー・オブ・ギャングスターパラダイス』も最終回を迎え、物語を終わらせることができました。正直な話、どのキャラクターが最終的にボスの座に着くか……というと
【NOVEL】ザ・ストーリー・オブ・ギャングスターパラダイス 最終話
最終話 鉄と嘘 後編 事務所の扉を開け、明りを点ける。デスクに着き、ジャケットの内ポケットから煙草と封筒を取り出した。引き出しを開け、中からウィスキーの瓶を取り出す。曇ったロックグラスに半分程注ぐ。ウィスキーを一口含み、煙草に火を点け、背もたれに身体を預
【NOVEL】ザ・ストーリー・オブ・ギャングスターパラダイス 第10話
第10話 鉄と嘘 前編 たった二日ぶりだというのにバー・ジャックポットの窓から漏れる灯りが懐かしかった。メリーアンドリューにとっては、それだけユニークな二日間だった。かつての仲間と再会し、旧交を温めた。嗚呼、懐かしき哉、血と硝煙の日々。ドン・カイシンの元