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というわけでメリーアンドリューワークスは11月14日(土)のみの出展となりました。コロナ禍の最中、作り手としてまた売り手として、エントリーから当日を迎えるまで逡巡が尽きませんでした、が蓋を開けてみると、それも杞憂となるくらい会場は活気に満ちておりました。

「入替制による入退場」というのもピーク分散に一役買ったようで、いちブースからの定点観測では、通路は終始6割くらいの混雑具合でした。

杞憂から一転、好感触のうちに幕を開けたたイベントですが、商売としてはそれなりに苦いものがありました(毎度、おなじみのことなんですが)。今回の出展で気になった3点を考察してみました。

・参加者が立ち止まらない。
これまでの参加者はブースひとつひとつを見て回り、気になる作品があれば説明を聞いたり、試遊したりして、買うか否かを判断したと思います。今回の参加者は、時間制限が生じたためか、ゆっくり見て回る余裕がなさそうでした。「足を止められない」「長い説明は聞いていられない」「よく分らないものは買えない」という、これまでよりもシビアな判断基準があったように感じました。

・作り手と遊び手のディスコミュニケーションが顕著に。
作り手が伝えたいことと、遊び手が聞きたいことの食い違いに苦慮しました。遊び手がその作品を購入するにあたり、最も知りたいことは「そのゲームで遊んで、どんな気分に浸れるか」なのだろう、と想像します。購入したあとで「難解なルールの割に、たいして面白くない」なんて気分に浸りたい遊び手は、きっと存在しないわけで……。

一方の作り手(少なくとも自分)が伝えたいのは、あくまでルールであって、ゲームの背景から始まり、内容物、ゲームの目的、勝利条件etc…を滔々と語りがち、でした。

一通り説明した後で「分りました。結構です」というパターンが、今回は特に多かった気がします(総数が少なかったので、特に印象に残りやすかったのかもしれませんが)。あとで仲間内から「(説明が)長い」という指摘があったのですが、その一言でハタと気づきました。私が伝えたかったことは、相手にとって知りたいことではなかったのだなぁ、と。

この問題について自分の中で明確な答えは見つかっていません。「私はこのゲームのこのルールが気に入っているんだよね。あなたがどう感じるかは知らないけど」といった応じ方で、もうそれで良いんじゃないかな、とすら思い始めています。

・トレンドはマダミスか。
人狼に次ぐ新たなトレンドとしてマダミスは着実に伸びているように思います。マダミスが担保する「何か」こそ、ボードゲームに欠けていて、かつ今日の遊び手が求めるものなのではなかろうか、と思います。ごく個人的な印象論に過ぎないのですが、今日の遊び手が求めるのはルールでなく、フォーマットなのではないかと思いました。

ルールはあくまでルールであり、それが分ったからといって、ゲームを楽しめたり、勝てるわけではありません。むしろ最初は迷い、間違い、苦い敗北を味わうものです。

一方のフォーマットは「形式化された楽しみ方」とでも言えましょうか。そのフォーマットに従えば、どんな遊び手であっても一定の楽しさは担保されるもの、と考えます。

今の遊び手にとって「迷うこと」、「間違うこと」、「負けること」は、悪いことのように感じるのではないでしょうか。その理由として「時間の価値が高まった」ことが上げられるのではないでしょうか。限りある時間を無駄にすることは災難に遭遇することくらい悪いことで、逆にかけがえのない時間を過ごすことは何物にも代え難い良いこと、と言えるのではないでしょうか。

だからこそ、悪いことが起こりにくく、かつ、良いこと起こりやすい遊びが選ばれるのではないでしょうか。マダミスは「形式化された楽しみ方」によって悪いことが起こりにくく、一度遊んだら二度と楽しめない「かけがえのなさ」という良いことが起こる故に、その人気があるのだと思います。

今回のゲムマは、作り手として、売り手として、多くのことが問われました。おそらくメリーアンドリューワークスに限らず、多くの出展者が、言葉にならない思いを抱えているであろうと想像します。

最後に結びの言葉を述べるとしたら「開催できて良かった」この一言に尽きます。開催日が1週間ずれていたら再び見送りになっていたかもしれません。この後、コロナに結びつくニュースなど耳にすることなく、年越しを迎えることができれば、この上ない本望といえるでしょう。

以下、今回の戦利品です。

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