JR大井町から徒歩8分、ゼームス坂の途中にあるごいた喫茶マーブルさんにお邪魔して、創作ボードゲーム体験会に参加しました。ゲームマーケット2018秋に新作としてリリースされるゲームを事前にプレイさせていただきました。

『マメィ』『ジャンブルオーダー』『妖怪セプテッド』『素数大富豪Lv.0』『回る遺跡』『トントン』など、どれもゲムマの目玉となりうるラインナップでしたが、今回はその中で実際にプレイしたゲームについて紹介してゆきます。

回る遺跡
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「ハコニワ観光局」さんの処女作。
プレイヤーはパッケージに描かれた遺跡を訪れて、宝石を手に入れるというストーリ。
注目すべき点はなんといってもボードのギミックで、三枚の円盤がくるくると回転します(なんと手作りとのこと!)。円盤にはマス目が切られ、そこに宝石が置かれます。プレイヤーはカードの指示に従い、円盤上のミープルを動かします。

宝石は2種類あり、紫色のアメジストが1点、透明のダイヤが2点。ボードを回転させて、宝石を狙ってミープルを動かすのですが、他のプレイヤーの思惑もあり、なかなか思った通りには進みません。

カードによる移動では、自分ともうひとりのプレイヤーのミープルを動かすのですが、一方が宝石を手に入れると、もう一方も手に入る仕組みです。なので、相手を蹴落とすというよりも、互いに協力しあうといったプレイ感でした。この辺はデザイナーさんの優しさを感じました。

アートワークの雰囲気が示す通り、温かみのあるゲームで、ボードゲーム初心者や女性、子供さんに、受けのよさそうな作品だと思いました。

最後に「ハコニワ観光局」というサークル名について尋ねたところ、ゲームを通じて世界観を表現したいから、とのことでした。本作はそんな箱庭世界の名所のひとつで、プレイヤーはゲームを通じて、名所めぐりを追体験することになるそうです。また、箱庭世界は作品の数だけ広がってゆくとのことでした。

マメィ
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ホビージャパンのキックスターターが成功し、世界にも流通するようになった「老師敬服」をリリースした「HOY GAMES」さんの新作マメィ(マミーと言ってしまいそうですが、ちゃんとメの発音を忘れずに)。

ドラフト×セットコレクションという堅実なシステムの組み合わせ。シンプルなルールなので、一度プレイすれば迷うことはないでしょう。ゲームが進むと得点ボードにキューブが置かれてゆくのですが、そうなってくるとプレイヤーにシビアなが判断が求められるようになります。

安い手をサクサク作るか、高い手をじっくり作ってゆくか、どちらが良いかは手札と場の状況次第。キューブで埋められてしまった得点は、それ以降、手に入りません。実に悩ましいシステム。この辺は、割合プレイヤーの性格が出るような気がします。

ウィンストン・ドラフトというドラフト方法がこのゲームの肝で、やってみると中々にジレンマを感じさせてくれるシステムです。山札からカードを引くという所作を煮詰めてゆくと、こんな風になるんだな、とそのシンプルさ故の美しさに感銘を受けました。

キャラクターデザインも可愛く、なんとキーホルダーやイヤリングにもなるそうで、アートワークが琴線に触れた方がいらしたら、一度は試遊してみることをおススメします。一度プレイすれば、ゲームの楽しさが理解できるはずです。

ジャンブルオーダー
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「操られ人形館」さんのジャンブルオーダー。ゲーム自体は60分~90分とやや重めですが、やることはさほど難しくありません。有名な作品としてドミニオンが挙げられる、デッキ構築タイプのゲームです。

初期カードを用いて新たなカードを購入し、自身のカードデッキを作り上げてゆきます。自軍の陣容を整えてゆくようにデッキを構築し、それを他のプレイヤーと戦わせて競う訳ですが、作戦通りうまくゆくと思わず心の中でガッツポーズしたくなります。

本作は、そんなデッキ構築というプロセスと、構築したデッキでのバトルが、いい塩梅にミックスさていました。バトルに勝たなければ勝利点は獲得できないのですが、あえてバトルから撤退することで、他のプレイヤーよりも先にカードを購入する権利を得ることも可能です。

どんな勝ち方ができるのか、プレイを重ねながら研究するのも一興でしょう。何度も繰り返して楽しめるゲームと言えそうです。私自身も初見ながら、時間を忘れて楽しむことができました。

アートワークもポップで、親しみやすさを感じます。いわゆるドイツゲームに敷居の高さを感じる方にこそ、プレイしてもらい、楽しさを味わってほしいと思うタイトルでした。